【札幌 弁護士コラム】家族信託の作り方・使い方(14):信託契約書の作り方⑤

【札幌 弁護士コラム】家族信託の作り方・使い方(14):信託契約書の作り方⑤

今回で信託契約書については最終回です。

マニアックな話にお付き合いさせてしまい、申し訳ございませんでした(汗)。

ということで今日は信託監督人と受益者代理人の要否についてです。

 

信託監督人とは、受益者のために自己の名をもって、受託者の信託事務の処理を監督するために受益者が有する権利を行使する権限を有する者をいいます。

受益者代理人とは、受益者のために、その代理人として、受益者が有する信託法上の一切の権利を行使する権限を有する者をいいます。

 

両者とも、信託の監督機能を有する点で共通しますが、いずれかによって違いも生じるため、信託の設計にあたっては慎重な検討が必要です。

 

まず前提として、受益者には受託者を監督する権限があります(法律上いくつか規定されていますがここでは詳しい説明を省きます。)。

というのも、信託財産の形式的な所有者は受託者ですが、実質的には受益者に真の権利が帰属している以上は当然のことといえます。

 

そのような受益者ですが、家族信託の場合には心身に故障を生じた場合も想定しておく必要があります。

そこで受益者に代わって受託者の暴走を抑止し、信託スキームを維持すべき存在が必要となる場合があります。

そこで登場するのが信託監督人、受益者代理人というわけです。

 

それではどのような場合に信託監督人を付ける必要があるか、受益者代理人を付ける必要があるか、それともどちらもなしとするか、どのような判断基準で判断すべきでしょうか。

 

まず一定規模の財産、キャッシュフローのある財産、オペレーションが難しい財産の場合には信託監督人をつけるべきと思われます。

これは、受益者の認知能力が下がってくるに従って、実質的に受益者に損害を生じさせる場合が多く、又は受益者に対する損害が大きいことが想定されるからです。

このような場合、原則的には受益者に指図権を与えるなど、受益者の意思に従った信託の運営がなされることとすべきですが、受益者が運営できなくなった場合に備えて受益者の判断の補助又は受益者が判断に代わる判断を行う役割として信託監督人をおくことが有用と考えられます。

 

一方で、福祉型信託のように信託設定当初から意思能力のない人のために信託を設定する場合には、受益者代理人を設置することも考えられます。

これは、受益者代理人が選任された場合、受益者が受託者を監督する一切の権限が受益者代理人に移るものとされており、まさに受益者代理人が受益者になりかわって信託に関する意思決定を行うことになるからです。

受益者代理人の権限は非常に大きいものとなるため、却って受益者代理人の暴走が起こらないかについても留意が必要でしょう。

 

そのような信託監督人、受益者代理人の適任者はどういった人でしょうか。

まず信託監督人には、士業又は信頼のおける第三者が望ましいものと思われます。

これは信託監督人は信託の当事者的立場ではなく、第三者として信託の運営を監督する立場であることから、士業等の専門家等の立場と合致しやすいからです。

 

一方で、私見では受益者代理人は、権限が強すぎるため士業が受任するには重いように思われます。

信託はあくまで財産管理の仕組みであり、身上監護の権限の処分までを定めたものではないため、受益者の自己決定権までをゆだねたものではありません。

しかし、財産の管理処分の権限を全て委ねることは相当な決断が必要な場合も少なくありません。

そのような意味では受益者が可能な限りは受益者が意思決定をすべきことが自然といえ、血縁もない第三者が全ての意思決定を行うことには違和感を覚える場合もあります。

 

そのように信託監督人、受益者代理人に就任した場合には報酬を受け取ることができるのでしょうか。

信託業法との関係が気になるところですが、信託監督人や受益者代理人は受託者ではないので報酬を受け取っても信託業法違反とはならないとされています。

 

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