札幌 弁護士コラム】家族信託ってなんだろう?(10):家族信託に関係する書類②

札幌 弁護士コラム】家族信託ってなんだろう?(10):家族信託に関係する書類②

③受託者承諾書
家族信託を設定後、受益権を譲渡する場合や、受益権に質権を設定するような場合には原則的に受託者の承諾が必要となります。
また、受託者の承諾については確定日付が必要です。
確定日付は、受託者承諾書を公証役場に持参して手数料(700円)を支払うことで誰でもすぐに取得できます。
確定日付がない場合には第三者に対する対抗要件を欠くことになってしまい、問題発生の原因となってしまいます。

④債務引受契約書
ローンによって取得し、抵当権が設定されている不動産について家族信託が設定できるかという質問を受けることが度々あります。
原則としては委託者である不動産の所有者と受託者となる者が信託契約を結べば家族信託を設定できますが、ローンがある以上は金融機関を無視することはできません。
このため通常は金融機関の承諾を得た上で家族信託を設定することとなります。
家族信託を設定したうえで受益権を譲渡する場合には、与信や資金繰りの関係から、金融機関の委託者に対する貸金債権の債務者を新受益者に変更することとなります。
この際、金融機関が家族信託に協力してくれない場合などであれば、受益者が別の金融機関から融資を受けた上で、委託者に対してから受益権の売買代金を支払い、委託者が借入れを全て返済することが想定されます。
一方で金融機関が家族信託に協力してもらえる場合には、委託者から受益者に貸金債権の債務者を変えるために免責的債務引受を行うことが通常です。
この免責的債務引受を行うために債務引受契約書が必要となります。

⑤費用負担に関する合意書(覚書)
家族信託を設定した場合、受託者が家族信託を維持管理するために必要な費用は、信託財産から拠出し、不足する場合には受託者の(個人)財産で負担しなければなりません。
一方で家族信託において利益を得るのは受益者ですので、家族信託に必要な費用は受益者が負担することが理に叶っています。
しかし、法律上、当然に受託者は受益者に対してかかる費用を請求することができません。
このため、受託者が受益者に対してかかる費用を請求するためには受託者と受益者との間で費用負担に関する合意書(覚書)を結んでおく必要があります。

(続く)

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