【札幌 弁護士コラム】著名人の権利に関する契約の難しさ

【札幌 弁護士コラム】著名人の権利に関する契約の難しさ

 

今日は朝から読書をして、午後からは残務処理。

来週は挨拶回りやら新年会やらがみっちり詰まっていますので、この連休中である程度片づけておきたいところです。

 

さて、最近たまたま著名人(芸能人)に関係するような契約書のお仕事をいくつか頂きました(別に芸能人に会ってどうこうするような楽し気なお仕事ではありません。笑)。

そのような中でいくつか難しいなと思ったことがありますので、少々触れてみたいと思います。

 

(1)著作権は誰のものか

「著作権」という言葉はよく聞かれると思いますが、厳密にいうとこれは、財産権としての著作権(狭義の著作権)と著作者人格権というものに分かれます。

前者については売ったり買ったり、又は貸したり(使用権の設定)ができるものですが、後者については創作した人の人格にくっついているものですのでそのようなことができません。

そうすると前者についてはどんどん移転してくことが考えられますので、既に発生している著作権を契約の対象としようと思ったら、現在、誰のところに著作権があるのかを確定させなければなりません。

著作権は登記や登録を行わずとも権利として認められるものであるため、この確定作業が困難な場合もあります。

また、法人に所属している人が創作を行った場合に、職務著作として著作権が法人に認められる場合と職務著作の要件をみたしていないために個人に認められる場合があります。

誤って著作権を保有していない人と契約をしても何の意味もないため(契約が空振りに終わってしまうため)注意が必要です。

 

(2)人格権に基づく主張がなされないか

著作権については著作者人格権というものもありますが、これについても契約において手当をしておく必要があります。

すなわち、財産権としての著作権を譲り受けたとしても、著作者人格権自体は創作した人に残り続けるため、著作物を改変したりしたような場合には創作した人から著作者人格権に基づく請求をされたりする可能性があります。

このため創作した人の間で「著作者人格権は行使しない」という約束をしてもらう必要があります。

また、著名人である場合にはその写真や動画を使いたいという場合もありますが、このようなときには肖像権、氏名権、パブリシティ権、プライバシー権等にも配慮する必要があります。

これらの権利は全て憲法上認められる権利(人権)の1つである「人格権」というものが根本になって派生したものと整理されています(一部異説もあるでしょうが。)。

このため、形として見えない権利を把握し、1つずつ契約に盛り込んで対処するような必要があります。

 

(3)多数対多数

さらに、著名人がグループやバンドなど複数になる場合にはさらに複雑になります。

人格権に基づく権利については個々人と契約を結ばなければならないためです。

これに加えて使用したい媒体などが複数になるような場合には、どの範囲で権利の使用を許諾してもらうかという線引きも行う必要があります。

このようなことで対象も多数、契約の目的も多数という複雑化の要素を持つことになります。

 

そんなわけで著名人に関連する契約書といのはなかなかに難しいなと感じた次第です。

 

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