【札幌 弁護士コラム】契約書を作ることと、計算上で合わせることの違い

【札幌 弁護士コラム】契約書を作ることと、計算上で合わせることの違い

お盆休みも終わり、札幌では徐々に寒い季節を迎えつつあります。

来週からはもう一度気を引き締めていきたいと思います。

 

さて、最近、契約書に関するご相談でいくつか似たようなご相談を頂いております。

それが「契約書に書かずとも、お金の計算上、整合性を取っていたらいいのではないか。」というご相談です。

 

この質問に対して結論を述べるならば明確に「No」です。

 

まずそもそも、論理的な順序としては、契約がある→契約に従って当事者が経済活動を行う→金銭の移動が発生する→金銭の計算が発生するというものであるはずです。

金銭の計算を合わせるだけであれば最初の契約に限らずとも、同じ計算に至る可能性は複数あるわけで、契約当事者の見解が異なる場面や契約当事者以外の者が関与してきた場合にトラブルの原因になります。

 

簡単な例でいうと「平成29年8月19日にAからBに対して200万円の移動があった。」ということがあった場合、この原因となる法律関係を挙げるとすれば①AがBに対して贈与した、②AがBに対して貸し付けた、③AがBに対して損害賠償金を支払った…等、無限に可能性があるわけです。

ですので、計算だけがあってもその前提となる法律関係が確定するわけではなく、問題が残ることになります。

 

また、もう1つ付言するならば、金銭の名目が非常に重要になる分野があるということです。

その典型例が労働関係です。

労働法上、賃金の内訳の名目というのは極めて重要なものであり、特に残業代とみなされるものか、基礎給与とみなされるものか、というのは残業代の計算において極めて重要なポイントになります。

ここでは深く言及しませんが、計算上、帳尻だけを合わせようとするとその前提となる法律関係の認定で計算が大きく変わる恐れがあるということはご留意頂きたいところです。

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