【札幌 弁護士コラム】弁護士は債権回収を行うとき、何を考えているのか

【札幌 弁護士コラム】弁護士は債権回収を行うとき、何を考えているのか

相変わらず風邪(?)がすっきりしない状況が続いています。

こんな状況なのに明日は恒例の滝行です。

心が洗われるついでにウイルスも流し去ってほしいと思います(単なる願望)。

 

さて、最近ひょんなことからナニワ金融道を再度読み始めました。

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その影響であることは明らかなのですが(汗)、債権回収の依頼を受けた弁護士が考えることをいくつかお披露目したいと思います。

 

(1)債権は固い(確実な)ものか

まずは債権が確実に証明できるものかどうかを判断します。

確実かどうかという前に、慰謝料請求権であったり、財産的な損害賠償請求権であったりするとそもそも存在するかどうかが争点となることが多くありますが、このようなものは別稿に譲りたいと思います。

ここでは貸金返還請求権(貸したお金を返してもらう権利)や売買代金請求権(物を売った代金を支払ってもらう権利)等の比較的債権の原因が明らかなものについて論じます。

事情を聞いて「これは債権があるのだろうな。」と確信できるということと「この債権は簡単に立証できるだろうな。」と判断できることは別のことといえます。

その上で、債権の立証が容易かどうかは主に書類が揃っているかどうかによります。

貸金であれば、消費貸借契約書(借用書、債務承認弁済契約書、約束手形などの場合もあります。)があれば固いものといえますが、それがなくともメールでも十分な証明力を持つ場合があります。

そのようなものがなければ、領収証、金銭出納帳、銀行振込用紙等で証明が可能な場合もあります。

逆に、「口頭の約束のみ、金銭は現金で渡して領収証をもらっていない。」というような場合にはかなり苦労することがあります。

ですので、弁護士はまず債権の原因を示す書類があるのかどうなのかをいの一番に確認します。

 

(2)債務者の資力はどうか

債権が固いとしてもそれを回収できるかどうかはまた別問題です。

債権を回収できるかどうかは、債務者の資力と返済に対するモラルの問題にかかっています。

資力(=返済するための財産)がない(将来を含めて全くない)ということになれば、弁護士であろうが、税務署であろうが、神様であろうが、怖いお兄さんであろうが(?)回収することはできません(怖いお兄さんは時に将来のキャッシュフローを奇跡的に作り出す場合もあるようなことは聞きますが…。)。

そんなわけで、相談を受けるときには債務者の何となくの財産状況や生活状況を確かめます。

破産寸前というような状況であると回収できる望みは薄く、基本的にあまり多くの着手金を投じて回収に動くことは現実的な選択になりません。

例外的に、直前に大きい金額の弁済を行っていたり、持っていた不動産の名義を変えていたような場合には債権者取消という制度を使って回収を図ることはあります(が、なかなか簡単にはいかないことが多いように思います。)。

弁護士はこの観点から依頼を受けるかどうかを考える習慣が身についています。

 

(3)債務者の支払い意思はどうか

一方で資力はあるのに払ってくれないという場合もあります。

何らかの感情的な対立がある場合や、債権の存在が確実であるにも関わらずそれを債務者が認めたくないというような場合です。

そのようなときにはまさしく弁護士の出番です。

十分な資力があることが確認できれば正面を切って交渉を行うなり、訴訟を行うなりすることができます。

一方で資力はそれなりにあるが、債務もそれなりにある、というような場合もあります。

このようなときには仮差押えなどの処分を行った上で交渉や訴訟を進めることになります。

なぜならば弁済を嫌がる債務者が詐害行為(=いわゆる財産隠しや他の債権者への弁済を図ること)を行う恐れがあります。

また、債務者の債務の状況は必ずしもわからないため、悠長にやっていると他の債権者に先に回収されてしまう可能性も出てきます。

資力があるのに、支払い意思がないような場面が債権回収を取り扱う弁護士の腕の見せどころだといえます。

 

(4)保証の状況はどうか

また、債務者本人が無資力状態であったとしても、資力のある保証人がいたり、不動産に担保物権(=抵当権)が設定されていたりするような場合にはその担保から回収することを検討します。

保証人に関しては上記(1)~(3)とどうようのチェックを行います。

ここでポイントとしては債権者と保証人との間の保証契約は書面で行わなければならないということです。

この書面がなければ法律上、保証契約は絶対に成立しません。

ですのでこのような場合には保証人に対する請求を断念するか、何とか連帯債務者という理屈が成立しないかを検討することになります。

一方、担保物権が設定されている場合にはその価値がどの程度のものか、債権者の順位が何番目かを確認します。

不動産の場合には登記簿謄本(全部事項証明書)を確認することが出発点です。

不動産の場合には金融機関の抵当権に劣後しているときもありますが、金融機関に対しては定期的に弁済してきているのが通常ですので(支払いを滞らせると競売されているはずですので)、古い(30年以上前の)抵当権の場合には全額を完済しており、登記だけがのこされているような場合もありますので、競売申立てを検討するのも一考です。

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