【札幌 弁護士コラム】家族信託の作り方・使い方③:財産別信託契約の特徴

【札幌 弁護士コラム】家族信託の作り方・使い方③:財産別信託契約の特徴

今日は朝から晩までずっと家族信託関係の仕事をしていました。

家族信託案件は個性が強いので見積書一つ作るにしても結構な時間がかかってしまいます(汗)。

それにしても見積書を作るだけで忙殺されるとは、家族信託の普及もかなり進んできた感があります。

 

さて、本日は昨日に引き続いて家族信託の作り方・使い方の話を進めていきますが、本日のお題は信託財産になる財産別の特徴です。

家族信託は様々な財産を対象にできるだけあって、財産ごとの配慮も欠かせません。

財産ごとの特徴をしっかり捉えて、上手く活用していきましょう。

 

①不動産

「先祖代々の土地」のように次々世代まで見越した承継を予定している場合が多く、信託契約になじみやすい特徴があります。

現在扱っている案件も9割方が不動産関連の案件です。

不動産の場合には認知症や共有化によって処分できなくなるリスクがありますが、家族信託を活用することでこれらが回避でき、必要なタイミングでの売却が可能になります。

一方で金融機関から借入れを行って不動産を購入した場合、通常は金融機関を抵当権者とする抵当権が設定されているため、家族信託を設定しようとすると金融機関との交渉が必要となります。

金融機関にもよりますが、あまり家族信託に理解の及んでいない金融機関だと交渉が難航することがあります。

 

②株式(非上場)

中小企業のオーナー社長の多くは、自社株の全部又は大半を保有しています。

廃業やM&Aによらずに、事業承継を予定している場合には、オーナー社長が後継者への自社株の信託を行うのが有効な場合があります。

すなわち、株主であるオーナー社長が認知症になってしまうと議決権が行使できなくなるリスクがあり、オーナー社長に相続が発生してしまうと家族に自社株が分散保有されることになってしまい、会社の意思決定ができなくなるリスクがあります。

これに対してオーナー社長が健康な間に後継者に株式を信託しておけば、オーナー社長にもしものことがあっても会社経営の継続が可能となります。

また、株式を信託することによって株式の議決権と財産権を分離することができ、経営権の承継と相続税(贈与税)の発生のタイミングをずらすような使い方もできます。

 

③金銭 cf.預貯金

金銭は財産権の中でも最もポピュラーなものであり、もちろん信託することが可能です。

しかし、一方で金銭は流動性が高く、利用履歴等が残らないことが多いため、受託者の横領や財産の混同のリスクがあるものと間がられます。

このため、金銭を家族信託の対象とすることはコンプライアンスの観点から少々問題があるのではないかと考えられます。

そうだとするとまずは信託銀行等が出している個人向けの金融商品等との比較を行うことが望ましく、金融商品ではうまくワークせず、かつ受託者が全幅の信頼をおけるような人物で或場合には金銭を対象とする家族信託を行うようなスタンスがよいのではないかと考えています。

信託銀行等が出している商品であれば、贈与税がかからない特例的な措置がなされているものもありますので検討する価値は十分あると思います。

なお、金銭と預貯金は同じもののように見られる場合もありますが、預貯金自体は債権であり、金融機関との間の約款等で預貯金債権の譲渡禁止特約があるため普通は信託できないものといえます。

 

④有価証券(上場)

投資が好きな方であれば上場株や上場有価証券等をお持ちの方も多く、金額的にも大きい場合があります。

このような上場有価証券について家族信託の設定が可能かということについては、証券会社において個人向けの信託口座を作成してもらえるかということに大きく関わってきます。

一部の証券会社では個人向けの信託口座の開設が可能になっているという話も聞いていますが、個別の事案で利用が可能かについては都度確認を取る必要があるでしょう。

 

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