【札幌 弁護士コラム】「ファイナンス思考」を読んで

【札幌 弁護士コラム】「ファイナンス思考」を読んで

めったに使わない「ファイナンス」のアイコンを使ってみました。笑

最近、ひとに勧められて「ファイナンス思考」という本を読みました。

<ファイナンス思考>
http://amzn.asia/d/djzx6BX

財布に入っている現金の金額で事務所が流行っているかを見極めようとするほど(笑)、あまり会計に強くない私ですので、この本の真意をどこまで掴み切れているのか疑問ではありますが、会計の素養のない人にとっても非常に読みやすい本であったと思います。

要するに、日本企業はP/L(損益計算書)ばかりを重視して、真の企業価値を無視した経営を続けてきたことを指摘しています。
P/Lはその構造上、多少の操作は可能なようになっています。
また、日本の会計基準においても一定の裁量を認めているという現実があります。
それを悪用することで継続的に利益が出ているように見せかけることができるというのが問題であると指摘しています。

この指摘については、大企業に関していうと確かにそうかもしれないという面があります。
しかし、正直なところ、全国的に見ると、札幌のような地方都市やそれよりも小規模な都市における企業は、株主の目など気にすることはほとんどなく、会計というと税務会計であり、いかに税金を安くするか(=赤字にするか)のほうが関心があるのが通常であり、会社によっては議論が逆になる部分もあるように思われました。

それはそうと、会社の本当の価値は、短期的にいかに利益が出せるか、ではなく、真に評価されるべきものを保有しているかどうかにある、という指摘に対しては非常に共感を覚えました。
ここでいう会社の価値とは、優れた人材、高い技術、他の追随を許さない営業力や販売力といった、P/Lには載ってこないようなものにあるとされています。

「無形資産が有形資産を生み出す」といった発想を持っていれば容易に考え付く発想ではありますが、どうも昨今の経済情勢や会社経営に対する考え方を見ると、いかに短期的に目に見えた成果を出すかに傾倒しがちであるように思います。
もちろん、スタートアップ企業が悠長にやっていたのではすぐにつぶれてしまいますが、一定の余裕が出てきた企業においては、長期的な投資プロジェクトを立てたり、他者のM&Aを検討したり、人材育成に力を入れたりするなど、余裕があるからこそのレバレッジのかけ方を検討しなければならなりません。
しかし、現実には余裕資金をこのようなすぐには利益の出ないような分野につぎ込む会社は多くないのが現実です。

実際に実行するかどうかは別として、確かにこのような「ファイナンス思考」を持つ会社が多くなってくれば経済情勢も変わってくるのではないかと考えさせられた次第です。

URL :
TRACKBACK URL :

コメント欄

*
*
* (公開されません)

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)